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55 建築100 ポルト編2 アルヴァロシザスペシャル

ポルト第1編に続いて。
今回はたっぷりシザ中心です。
というわけでアルヴァロシザスペシャル。
プロレス技ではありません。
この日みたシザ建築は3つ。
マルコ・デ・カナヴェーゼス教会、ヴォア・ノヴァのレストラン、レサのスイミングプール。
レストランとプールの2つは歩ける範囲にあるが、中心地には無い。タクシーで20分ほどの距離。
教会は中心地から2時間ほどかかる。正直ポルトでの建築旅行をカマす上で、この建築を入れるか入れないかの判断は大きい。
ポツンと違う場所にある。

僕の場合、シザ大好きというのもあるんだけど、中心都市に行ったら必ずその郊外にある建築を見に行きたいタイプ。

パリで言うところのル・ランシーの教会(まぁ2時間ってことは無いけどサ)だったり、ラトゥーレットだったり。

田舎の街ののどかさや人のゆっくりとした感じが、なんとも旅の気分にどハマりするというか。
ポルト3日目の朝イチでsao bento駅に向かい、電車で1時間半、徒歩30分で山を登る。
なんかバスはあるみたいだけど、本数が少なく、遠回りのよう。
徒歩を選択したはいいものの、中々の急斜面をかなり歩く。
僕らが行ったのは6月の中旬だったが、カラッとして風が通ってはいるものの日差しは強烈。
急斜面を超えたところに見えて来る教会。
なんともシザのホワイトが映える空。
建物はだいぶ痛んでいるように見える。
到着は9時。
教会のホームページを見ると9時と12時に見学をしてる、と書かれているが、事務所は人気がなく、教会も鍵がかかってる。
いやウソだろ、と思い事務所のピンポンを鳴らす。
おワタ…と思ったところで事務所からおじいさんが出てきた。
中に入りぃな、とのこと。
3€払い、名簿に名前を書くと教会に入れてくれる。
よかった。
おじいさんに声をかけると中を見させてくれるという制度のようで、見学中はおじいさんの監視下だった。
さて、来たぞ。
1989年竣工。
ふむ、1歳先輩か。
白い壁面はとても綺麗だけど外壁はそれなりに傷んでる。
シザの空間はいつも抽象的な美しさを保ってるように感じる。
機能的に必要な雑多なものを無くす、隠す努力がそれを実現している。
この空間でいうと、ハイサイドライトのサッシ。
外からみると中々無骨なサッシでとても建築家が進んで使うように思えないが、
内からアイレベルでみると、光の面しか捉えられないように壁に厚みが持たされてる。
そして、天井にはなにもない。
これがやはり驚異的であり、とても美しい。
教会建築だとトップライトや教壇側から対面する直達の光が取り扱われることが多いが、
この建築は、前後又は天地という関係でなく、光を取り入れる、外界に開く開口は左右に配置される。
光を内へ内へと伸ばしていく。
天井が純粋な面であるからこそ感じられる、とても綺麗なグラデーション。
凍狂に麻痺してしまった、商業施設、オフィスビルしか最近見てないサラリーマン設計者には中々ガツンとくる。膝から崩れ落ちそうだ。
大きな曲面に配置される3つのハイサイドライトと、低く鋭く長閑な山々を切り取る開口。
2つの開口はとても対照的に取り扱われている。
おじさんの監視下ではあったものの、30分くらいガッツリ中を見倒す。文句ひとつ言ってこない優しいおじさん。
十分満喫した後、外観をくるくる。
敷地内に中々の高低差。
いやぁ、いい天気。
11時前の電車にてポルトに戻る。
電車は30分に一本程度なので注意。
さてポルトのsao bento駅まで戻り、そこからタクシーでこちらに。
シザの処女作、ヴォアノヴァのレストラン。
まぁまず、敷地ハンパなさすぎ。
1作目でこの敷地で設計しろとか、アゴ外れるわ。
だけど、ぶっちゃけめちゃくちゃいい。
今は高級レストランが入ってる。
学生時代であればフルMAX退散と言ったところだが、社会人なのでちょっと頑張ってお昼ご飯食べていくこととした。
お昼で1人1万強程度だったかな。
全てコース料理で、選ぶ品によって価格が変わる的なシステムだった。
メニューのとじしろ部分が海苔になってる。。
これはお通しか…??
インテリアはさっき見てきたサンタ・マリア教会の抽象的な美しさと打って変わり、なんとも楽しげなリズムある空間とインテリアになってる。
どことなく若さを感じたりする。
しかし最もガツンと来たのはエントランス入ってすぐの空間。
この断面たるや。
1963年竣工。
時代的に言うとラトゥーレットの修道院が1960年。ベルリン・フィルハーモニーが1963年竣工。
なんともすごい時代。
アアルトのヘルシンキ工科大学もこの辺。
ドイツ・フランスあたりの中央ヨーロッパとは違う、なんとも周縁のポルトガルらしさのある建築。
空のブルーを切り取り、カラッとした光を取り込むハイサイドライト。
海のブルーを切り取り、無限に広がる水平線と対峙する横長の開口。
そしてゴツゴツとした力強い造形の岩礁を切り取るフルハイト開口。
これだいぶイケてる。
このパース一枚で白米8杯くらいいける。
混ぜ込みわかめとでも名付けるかというレベル。
敷地高低差も、周辺の素晴らしい環境要素も、全て建築に取り込んでシーンにしてる。
あと料理めっちゃ上手い。
のんびりと時間を過ごすなら是非とも食事を堪能することをお勧めする。
以上ポルトのシザスペシャル。
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